シャトー案内

Ch Beausejour
シャトー・ボーセジュール
| 生産地 | サンテミリオン地区 |
|---|---|
| シャトー | シャトー・ボーセジュール |
| タイプ | 赤/フルボディ/濃厚で力強い、長期熟成型 |
| 格付け | サンテミリオン1級B |
| 栽培品種 | メルロー70%、カベルネ・フラン30% |
各ワイン評論家からの評価(★1点/☆0.5点)
| ロバート・パーカー (第4版) | ★★★(3点/4点満点中) |
|---|---|
| ヒュージョンソン (第5版) | ★★★(3点/4点満点中) |
| ル・クラスモン (2006年度版) | ★(1点/3点満点中) |
| ゴー・ミヨー (2006年度版) | 掲載なし |
シャトー【カノン】や【ボーセジュール・ベコ】などに囲まれた、サンテミリオン村西側の斜面に畑を持つシャトー・ボーセジュール。この一帯に1級シャトーが集まっていることからも、畑のポテンシャルの高さは間違いないところです。
元々は【ボーセジュール・ベコ】と同じシャトーだったところ、後に2つに分かれたという歴史があるため、この両シャトーは常に比較して語られることが多いようです。一方が“濃厚なモダンなタイプ”とされているのに対して、ボーセジュールはロバート・パーカー氏から“ミネラル主体で【オーゾンヌ】的な方向に傾倒している”と評されるなど、伝統的なスタイルを保っているのが特徴です。
また、サンテミリオンの格付けでは常に1級とされているにも関わらず、あまり日本で認知されていないのは、生産量が「年間約3万本」と低いため、目にする機会が極端に少ないことが大きく関係していると思われます。
ロバート・パーカー氏から「100点」という最高の評価を得て、人気が沸騰したため、今ではほとんど見かけることが出来なくなってしまった伝説のビンテージ<シャトー・ボーセジュール 1990年>。確かにこのワインが極めて高い評価を受けていることは間違いありませんが、それ以外のビンテージでも決して平凡なワインを造っているという訳ではありません。
“隠れた逸品”といった印象が強いシャトー・ボーセジュール。生産量が少ない1級シャトーとしては、今はまだ手が届く価格に留まっていると言えるでしょう。その実力、ぜひお早めにお試しください。
シャトー紹介・醸造工程
情熱溢れるオーナーの下で

- ボーセジュールのシャトーです

- こちらは醸造所の建物になります
秋晴れの土曜日。この日はサンテミリオン村近くにある、格付け“1級B”のシャトー・ボーセジュールの取材にお邪魔しました。
サンテミリオン村の西側にあるボーセジュールは、同じ1級Bに格付けされているシャトー【カノン】に隣接した土地にあり、「12ha」の畑を所有しています。ここはサンテミリオン村の中でも有名な【オーゾンヌ】の畑がある南側と並び、非常に評価が高い斜面です。
シャトーに到着すると、すぐにオーナーのデュフォー・ラガロッスさんが出迎えてくれて、「まずは畑の説明を」と、事務所の脇にあるテラスでお話を聞かせてくれました。
標高70mに位置するテラスからの景色が絶景!斜面に沿って段々畑のように。ブドウ樹が植えられています。隣には【ボーセジュール・ベコ】と【カノン】、目の前には【アンジェルス】の畑が見渡せ、こんなに近いんだぁ、と地図で見るのとは違う隣接感が感じられます。天気が良い日は、直線距離にして35km先のボルドー市内まで見渡すことができるそう…!
南南西に向いた斜面は、水はけも日照量も抜群であることがわかります。以前はソーヴィニヨン・ブランを植えていたこともあるようですが、現在はメルローをメインにカベルネ・フランの2品種を栽培しています。
「サンテミリオンの1級シャトーの大部分がこの地域にあるのは、やはり他と比べて畑が良いからなんだ。ボーセジュールの畑も粘土質石灰岩の上にあり、日照が非常に良く申し分ない。ただし、これだけではダメで、一年間大事にブドウの樹を手入れしてあげることで、そのテロワールの本領を発揮できるようになるんだよ。」
こうして、熱心に畑について語ってくれること約1時間! その姿からは情熱が溢れていて、オーナーがワイン造りに真剣に取り組んでいることが伝わってきます。
ボーセジュールの魅力のひとつが、古樹(ヴィエイユ・ヴィーニュ)。なんと、1901年、1902年、1934年、1946年に植樹したブドウ樹が現役でいるとのこと! 樹齢100年を超えるブドウからは凝縮した素晴らしいジュースが得られます。 粘土質石灰岩のテロワールは長熟向きのメルロー栽培にぴったりなのだとか。

- 醸造所は厚い石灰層の上にあります

- 事務所の隣のテラスから見たボーセジュールの畑。このあたりは1級シャトーが集まっていて、奥には1級Bのアンジェリュスが

- 道を隔てたところには、シャトー【カノン】の畑があります

- オーナーのデュフォー・ラガロッスさん。とても情熱的な方です
伝統的な手法を守り続けて
全て手摘みで収穫されたボーセジュールのブドウは、醸造所まで運ばれ、選果台での選果、除梗の後、コンクリートタンクへ入れられます。
「ワインの醸造には、コンクリートタンクが一番適していると思っている。ステンレスは外気の影響を受けやすいため、醗酵中の温度を少し低めにしておかないといけないが、その点、コンクリートは外気の影響を受けにくい。木製タンクも同じ利点があるが、メンテナンスが大変なんだ。」
コンクリートタンクは9つあり、区画毎にわけ醸造されます。破砕はせず、タンクの中でアルコール発酵と果皮浸漬が合計2~3週間、ピジャージュ。その後のマロラクティック発酵は状況をみつつ30~50%は樽で、残りはタンクとの中で行います。
すぐにブレンドを行った後、フレンチオークの樽に入れて、約16ヶ月間の熟成へと移ります。熟成中にも、伝統的に3ヶ月に1度の澱引き、卵白を使用してのコラージュも行い、ようやく瓶詰めとなります。
「ちょっとカーブを見に行きましょう!」とデュフォー・ラガロッスさんに連れられて、石切り場の後を利用した地下のカーブに連れて行ってもらいました。中に入るとひんやりと涼しく、ところ狭しとワインが並んでいます。オールドヴィンテージのワインも沢山あり、ここでゆっくりと静かに熟成を続けていました。

- 樽貯蔵室のサン・ヴァレリの木像。フランスのブドウ栽培者の守護聖人はサン・ヴァンサンですが、サンテミリオンではサン・ヴァレリなのです

- 古いビンテージのワインも豊富にあるのですが、ビンテージによっては残り少ないものも

- 最も古いヴィンテージは1938年!

- 「これはカビですか?」と聞くと、「ワインにとって悪いカビではないよ」との答えでした

- サンテミリオンらしい石切り場跡に作られたカーブ

- ピジャージュは人の手で行うため、タンクの上部が空いています

- 醸造用コンクリートタンク

- 石切場として利用されていたので、ランプのススの後や石を切った跡があります

- 樽は225L~400Lまでさまざま。ヴィンテージによって使い分けます
幻と化している<1990年>
わずか「12ha」という小規模シャトーのボーセジュール。他の1級シャトーと比べて少し地味な印象があり、認知度も低いのですが、ここで生み出されるワインはその格付けに相応しいだけの品質となっています。
中でも<シャトー・ボーセジュール 1990年>は、かのロバート・パーカー氏から100点が付けられ、その味わいが大絶賛されているほどなのです。
また2005年より有名醸造家であるステファン・デュクノンクール氏をシャトーへのコンサルタントとして招いています。彼が手掛けたファーストヴィンテージはマスコミやテイスターから高く評価され、ギャビン・キニーによってボルドー地域のトップ100のベストワインに選出されるという偉業を達成しました。

- 樽貯蔵室の様子です

- 最後に一緒に乾杯させていただきました

- ラベルが貼られていないハーフボトル、「ブラインドでビンテージを当てろ」と言われました(笑)。何とこの日は95年を開けてくれました!
シャトーの歴史
2つに分割されたシャトー
シャトー・ボーセジュールの歴史は非常に古く、ガロ・ロマン時代にはすでにブドウが植えられていました。その後、近くにあるサンマルタン教会の修道士たちがブドウの栽培とワイン造りを行い、カマルサックの領主であったジェール家に引き継がれていきました。
1722年、ジャンヌ・ド・ジェールがカルル・ド・フィジャック家に嫁いだことにより、このブドウ畑はフィジャック家が所有していた【ドメーヌ・ド・ペイククー】の一部になります。
後にシャトーは別な所有者へと渡り、1823年からはピエール・ポラン・デュカルプ氏の管理下となります。
1869年、ピエールが他界したことにより、シャトーは2人の息子が引き継ぎます。この時を境に、ボーセジュールは2つ分割され、一方がボーセジュールに、もう一方が隣接する【ボーセジュール・ベコ】となりました。
元MicrosoftFranceのエンジニアのピエール・ベルナール氏がワインの世界に興味を持ち、ブルゴーニュ・ボーヌにあるCFPPAにてブドウ栽培とワイン醸造学を学びます。2004年にボーセジュールを購入し、第2の人生を歩み始めました。
シャトーデータ
主要データ
- Ch Beausejour
シャトー・ボーセジュール 33330 Saint-Emilion - http://www.chateau-beausejour.com/fr/index.html
- 格付け
- サンテミリオン1級B
- アペラシヨン
- Saint-Emilion

畑について
| 畑面積 | 12ha |
|---|---|
| 年間平均生産量 | 約3万本 |
| 作付け割合 | メルロー 70% カベルネ・フラン 30% |
| 平均樹齢 | 約55年 |
| 植樹密度 | 約5,500本 |
醸造ついて
| タンクの種類 | コンクリートタンク |
|---|---|
| 樽熟成の期間 | 約16ヵ月 |
| 新樽比率 | 約60%の新樽 |



