第6回 「Veraison(ヴェレゾン)までは、畑は大忙し!」
ブドウの花が咲き、それが上手く実に変わると、ブドウの形はどんどん大きくなっていきます。そこから色が変わりはじめ、収穫できるようになるまでの間、ブドウ畑では手作業の連続で大忙しになります。
まず最初に行われる作業は、どんどん伸びる茎の整備です。
6月に入ると、ブドウはみるみるうちに大きくなってゆき、放っておくとジャングルのような状態に!このため、茎にワイヤーを通して添え木の役割をさせ、高さを揃えて切ってゆくのです。
しかし、それでもブドウに葉っぱが被さり、太陽の光を遮ってしまいます。そこで、次は、ブドウを隠してしまう葉を手で切っていきます。
まずは、東側の日が昇る側のブドウにかかる葉を取りさり、午前中の強すぎない日光を浴びさせることによって、ブドウの成長を促します。一方の西側は、まだそのまま。西日は強いので、ブドウを保護するために敢えてそのままにするのです。
7月中旬になると、ブドウの成長を見ながら「摘房」します。
風通しを良くしてブドウが腐ってしまうのを防ぐと同時に、ブドウの数を減らすことによって、ワインとなるブドウに十分な栄養を行きわたらせ、品質を向上させることができるのです。
せっかく出来てきたブドウの房を摘みとってしまうなんて、勿体ないように思えますが、これも全てより良いワインを作るためには、重要な作業なのです!
そして、7月後半になると、徐々にブドウの色が変わります。
この時期は雷が鳴り響き、雨が降り始めます。カラッと暑い日が続く中に、突然の恵みの雨。その雨によって葡萄の色味が変わると言われています。
こうしてブドウの色味が変わることを「veraison」(ヴェレゾン)と呼びます。黄緑から薄紫色、濃い赤紫へと、日増しに色味が変わっていくのがワイン関係者みんなの楽しみでもあるんですよね。
もちろん、ほとんどが肉体労働になりますから、畑で働く人たちは大変です!7月後半は、暑さをしのぐため早朝から作業を続けているのです。
こうした作業のお陰で、より美しいブドウが出来上がるのですから、本当に感謝したい気分になりますね!

徐々に色味が変わって行くのが分かります