第1回 「冬のブドウ畑の秘密」
ボルドーの冬は、氷点下になるほど寒い日が続き、湿度が非常に高いという特色があります。朝起きて外を見ると深い霧におおわれ車は霜で真っ白、と言うのは見慣れた冬の景色の一つ。朝晩マイナス2,3℃まで下がるのは珍しくありません。
そこでブドウ畑ですが、そんな気温で悪影響はないのか?という疑問が出てきます。
ブドウの木は根が7-10m地下まで伸びています。そのため多少地面が凍ってもその影響を受けません。
地面が凍るほど寒い時期は1月から2月まで。つまりブドウの木に2本(もしくは1本)の枝のみの状態です。その状態でいくら寒くなったとしてもブドウの根の部分が地下奥深くにあるためブドウの自体に害を受けないのです。
ブドウの木に適している土地とは、水はけがよく、通気性が良いこと。その痩せた土地こそ根が水分を求めて地下まで伸びていく要因なのです。それらの主な地質は大きな白い石、砂、砂利質、粘土質、石灰岩質が混ざり合っており、地区によってその割合が変わってきます。
例えばサンテミリオンは石灰岩質が多いのに対し、その隣のポムロールでは粘土質の多い砂、砂利質です。メドックは砂、砂利質が多く白い大きな石が目立ちます。同じメルローを栽培していても地層の違いで風味が全く違ったブドウが出来上がります。つまり出来上がるワインの特色も変わってきます。
良いワインは良い土地から、という云われはこんなところで垣間見ることができますね。


